退去日が迫る部屋の片付けで意外な「強敵」となるのが、窓ガラスやサッシのシール・テープ跡です。結露防止シートや子供が貼ったシール等は、長期間放置すると剥がす際にボロボロになり、頑固な糊だけが残ってしまうこともあります。
これらを放置して退去すると、原状回復費用として敷金からクリーニング代を差し引かれる原因になりかねません。
そこで今回は、シール跡を傷つけずに綺麗に落とす「プロ直伝のテクニック」をご紹介します。身近な道具とコツで、敷金を守る最終仕上げを行いましょう。
ドライヤーの熱でゆっくりと剥がす
退去掃除で悩ましいのが、窓やサッシに長年放置されたシールやテープの跡です。結露対策の断熱シートや子供が貼ったシールは、経年で粘着剤が硬化し、剥がそうとすると糊が残ったり表面だけ破れたりします。放置して退去するとクリーニング代を請求される恐れがあるため、自力で落としておくことが大切です。
まずは、ドライヤーの温風を試しましょう。粘着剤は熱で柔らかくなる性質があります。端から温風を当て、少し熱いと感じる程度まで温めたら、ゆっくり巻き取るように剥がします。一気に引かず、温めながら少しずつ進めるのがコツです。
ただし、「網入りガラス」や「複層ガラス」には注意が必要です。これらは熱膨張の差で割れる「熱割れ」を起こしやすいため、一箇所に長時間高温を当てるのは避けてください。ドライヤーを動かしながら全体を温めるか、お湯で絞った雑巾で蒸らすなど、ガラスの種類に応じた慎重な作業が求められます。
こびりついた糊残りには専用のシール剥がし液
ドライヤーで落ちない頑固なシール跡や乾燥した粘着剤には、溶剤による分解が有効です。市販の「シール剥がし液」は非常に便利ですが、除光液やベンジン、家庭にある灯油やジッポオイルなどでも代用可能です。
ポイントは、塗ってすぐ擦らずに「湿布法」で浸透させることです。シール跡に液剤を塗り、キッチンペーパーとラップで覆って10〜20分放置してください。固まった粘着剤がドロドロに溶け出し、拭き取るだけで簡単に除去できるようになります。
ただし、サッシの素材には注意が必要です。強力な溶剤はアルミ塗装や樹脂枠を変色・腐食させる恐れがあり、特にプラスチックへの除光液等は厳禁です。必ず目立たない場所で試すか、中性洗剤やハンドクリームなど攻撃性の低いもので油分を馴染ませる方法が安全です。
ガラスやサッシを傷つけないために
柔らかくなった粘着剤や厚いシールを削ぎ落とすには、「スクレーパー」と呼ばれるヘラが便利です。指や爪より効率的ですが、使い方を誤るとガラス等に傷をつける恐れがあります。傷は退去時の費用請求に繋がるため、道具選びは慎重に行いましょう。
ガラス面には、金属製の専用スクレーパーが効果的です。使用時は刃を30度程度の鋭角に寝かせ、滑らせるように動かします。乾いた状態だと傷がつきやすいため、必ず洗剤水や剥がし液で濡らした状態で作業してください。
アルミサッシや樹脂枠、床には金属製ヘラは厳禁です。素材を傷つけにくいプラスチック製やカーボン製を使いましょう。無理に削らず、溶剤で溶かしてヘラで集める工程を繰り返すのがプロのコツです。丁寧に仕上げることで、敷金査定にも好影響を与えるはずです。