敷金・礼金とは
敷金や礼金のしくみは賃貸物件特有なので、購入物件には当然ながらありません。
賃貸マンションやアパートの情報欄には必ず表記されていて、家賃以上に注目しなければならない部分です。
いわゆる初期費用なのですが、金額がいくらになっているかで、今の自分の入居状況に合致しているかどうかが決まる重要部分になります。
けして安いものではなく、家賃も含めて物件によっては20万円以上の負担になる事もあり、無視できない部分です。
中には敷金礼金なしといったお値打ち物件もあります。
必ず付帯されるべきものではないという事です。
そもそも敷金とか礼金とか果たしてなんなのか、実はあまりよくわかっていない人もいるのでないでしょうか。
敷金は返金される可能性があるものとは言われますが、よほどの事がない限り戻ってきません。
敷金は物件を家主に返却された後に、次に借りる人のためのリフォーム代、すなわち原状回復工事に使われる事があるためです。
賃貸住宅を借りる条件には、確かに原状回復義務があります。
借りたものはすべて元の形に戻して変えさなければなりません。
ですから原則賃貸のためのいわば保証金なので、返却可能なお金ですが戻ってくる事は一切ありません。
退去時に家賃の未払い分があった時も資金から差し引かれます。
もしお金が余ったら借り主に返却されるはずですが、返却された経験をした人はほとんどいないのではないでしょうか。
家主にとっては家賃に次ぐ大事な維持費にもなっているのです。
一方礼金は文字通り部屋を貸してくれた家主への、謝礼として支払われるお金になります。
かつて学生が間借りをする時に、親から貸し主に支払われていた名残りですが、現代では意味がないと考える人も、少なからずいるのが現状です。
礼金は一切戻ってきません。
敷金も礼金も何十年も日本国内で続いてきた、伝統あるしきたりなのですが、トラブルの原因になっている事も事実です。
入居時に手渡される賃貸契約書に特約があれば、必ず熟読しておくのが賢明です。
相場
相場は物件によってまちまちですから、一定の金額が設定されているわけではありません。
敷金1ヶ月とか2ヶ月とか表記されているのが一般的です。
これは家賃の1ヶ月分ないし2ヶ月分といった意味になりますので、もしも家賃が5万円と仮定した場合、敷金1ヶ月は5万円という意味です。
2ヶ月なら10万円になります。
従って資金1ヶ月礼金1ヶ月と表記されていれば、それは最初に10万円払って借りるという意味です。
もし敷金礼金どちらも2ヶ月となっていれば、最初に20万円の請求がある事になります。
おおよそこれらのお金が原状回復工事に使われるとすると、20万円もの工事費が必要な部屋なのか、それとも余裕をもたせて請求されているのかを、契約時に確認をしてみると安心です。
敷金礼金ゼロの注意点
たまに敷金礼金ゼロと表記されている賃貸物件を見つけます。
お得感を受けるのですが、別件で請求されることもありますから要注意です。
ただ、難ありでゼロにしている場合もあります。